ダイレクトに作るだけでなく、製品形状を造形で作って、
反転してジグや金型を作る方法もありますよ」
・・・とつぶやいたところ、「その方法が知りたい!&3Dプリンターの値段も!」という
ご要望をいただいたいたので、お答えいたします。
【冶具編】
製品の一面を反転したような形状の受け冶具の場合、
光造形品をマスターモデルにして木枠の中に固定し、
石膏またはデブコン(パテ状の金属補修材)を流し込み、
反転してモデルを製作します。
ここでのポイントは、反転材が硬質のため、脱型しやすいように、
アンダーカット形状が無くなるように不要な中空部を埋めてしまうと良いです。
※脱型時には、マスターは壊して取るイメージで考えたほうがよいです。
自動車部品など、量産品が間に合わず、
冶具製作の日程が無い時などによく使われます。
光造形を使用する場合、材料は高靭性のSL7810がお勧めで実績有りです。
→SL7810はINTER CULTUREでも取り扱っています。
※ABSライク(白)という名称で取り扱っております。
他の材料は全て試していないのですが、
基本、反転材との剥離、脱型が出来れば問題ないです。
装置価格:数十万程度の卓上型FDMで製作し、表面をパテ、サフェーサー
仕上げするなど、反転材との相性を試してみると、もっと安く手軽に
出来るかと思います。
【金型編】
おもちゃの分野で良く使われますが、
ディテールの細かい部品などは、解像度の高いインクジェット式の
造形品で製作し、それをマスターに電鋳(ニッケル)で反転し、
裏側を銅合金でバックアップすることで
量産型を製作することが可能です。
こちらは、電鋳やバックアップ部の鋳造など、専門的な設備が要るので
なかなか個人では難しいですね。。
3Dプリンターの機種は、3Dシステムズ社の
ProJet2500もしくはProJet3600が解像度が高くお勧め。
標準価格はProJet2500で800万円程度、ProJet3600で1500万程度です。
ただし、反転ではないのですが、
インクジェット方式の3Dプリンターで耐熱材を使用すれば
数十ショット程度の少ない金型をダイレクトに製作することも可能です。
その場合、装置はProJet3600、材料はVisiJet Xがお勧めです。
さらに、最近では卓上型の超小型射出成型機(価格68万円~)も発売されております。