SPECIAL INTERVIEW 吉井宏さん Vol.1

By in インタビュー on 2010年2月14日

 

 

日々沸き起こる衝動 シチェーションではないイラスト

 

– NTTドコモのキャラクター「 ひつじのしつじくん 」TVKでオンエア中の
「 ヤンス!ガンス!」をはじめとして、多作のイラストレーターとして知られますが、
まずは、キャラクターを産み出すアイデアソースについてお聞かせください。

「 こんなの作りたいっ!」 っていう衝動的な部分ってあるじゃないですか?

それはやはり自分の中からやってくることが多いですね。

例えば植物や動物、雑誌に載っている服やグッズに対して

「 かっこいいな 」と思ったことをきっかけに消化して別の形にする、

ということをやってきました。自然やデザインされた物に触発されて作るという形ですね。

あとは、自分の作品が既に随分あるんで、

「 過去に作ったもののアイディアを今だったらこう作る 」っていう作り方もします。

– そもそも何故、キャラクターを作ろうと思われたのですか?

「 キャラクターを作ろう 」「 キャラクターに特化しよう 」とは全然思ってなかったんですよ。

一般的にイラストというのは、何かのシチュエーションを描いたりしますでしょ?

本文の説明をシチュエーションで表現するのがあまり好きじゃなかったんですよ。

じゃあ、イラストやアートの何が好きかって言ったら、

その「形と色」なんですよね。

「 何が描いてあるか」ではなく「 形と色 」なんですよ。

だけど、「 形と色 」だけで「 これがイラストです 」って出しても、わからないじゃないですか?

で、その「 形と色 」に「 目と口 」をサービスで付けたらキャラクターになった、

というのが成り立ちなんです。

例えば「 このキャラクターで何かを表現したい 」

とか「 どういう名前でどういう生活をしているキャラクターか 」

ということにそれほど興味がないんですよ。

「 形と色 」がほぼ全て、みたいな。

普通、キャラクター作家は自分のお気に入りのキャラクターを何十年もかけて育てる、

ということがあると思うんですが、そういうの僕はほとんど無いです。

たくさん作っておけば、何かの用途にピッタリなヤツがいるだろう、という感じです。

– ということは、ブログに掲載されているキャラクターや、
このポスターのキャラクター一つ一つにもテーマなどは無いのですか?

「 ないです 」(笑)っていうか、

色と形がテーマです。

キャラクターのスケッチがPCの中に何千枚もあるんですよ。

暇さえあればスケッチで描いているんです。

その中で目が合ったヤツがいると「あ、こいつ作ろう」

と毎日作ってブログにアップしているわけです。

自分の好きな「形と色」で自分の見たことのないモノを作りたいだけなんですね。

それが大量のキャラクターになっているんです。

創る楽しみは特殊な事ではない。

– 幾つかの作品をご自身で立体に造形・複製もされていますが、
「物を作る」という行為自体が好きなのですか?

 

 

作ることって「娯楽」じゃないですか。

色んな娯楽がある中で、僕にとっては物を作ることが他の娯楽よりも面白いんですよ。

子供の頃からテレビや野球よりも、物を作ることを楽しんでやっていた感じでしたね。

作ることって、今の時代の娯楽の上位には入りませんよね。

昔だと、専門家でもないおじさん・おばさんが油絵を描いてみたり、

俳句や書を書いてみたり、そういうことを普通に作る楽しみとしてやっていたはずなんです。

作ることってメチャメチャ楽しい娯楽だったはずなのに、今はそれがない。

だから、作るということ自体が特殊に取られちゃうんだけど、基本的には楽しい娯楽なんで。

僕みたいにそれを商売にしちゃった場合には、

どうにかずっと続けていきたいというのがあるんで、

続けていくためには進歩していかなくちゃいけない。

Vol.2 へ続く

 

 

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