SPECIAL INTERVIEW 赤城晴康さん×弘石雅和さん Vol.1

By in インタビュー on 2010年8月27日

 


従来の流れを変える試みを、ミニマムでやってみる。

-お二人は普段それぞれ、音楽・映像などを扱われていますが、
そこから発生した物が造形品としてお手元に届いた感想などをまず、お聞かせください。


赤城:作る前から「大きいな」と思っていたんですけれど、
このサイズだと実際にできあがった時に、
設計図にはない奥行き感とかが見えて、凄い存在感を感じますね。
あとでうちのスタッフにも見せますけども、多分どよめきますよ。
「こういうのができるよ」という正面図は見せているんですが、多分想像はついていないと思うんで。

弘石:袖の中にもちゃんと手があるところとか、
持った時の重厚感というところにオリジナリティーを感じました。

赤城:こういったオブジェクトにする場合、音楽がデザイン元ですと、
キャラクターを一回CGに起こさないといけないですよね。

僕らだと元のデザインがあるので、その辺はすぐにお渡しすることができるので良いですね。

データ上の厚みなんかの修正はありますけど。
映像の場合は見た目からキャラクターが想像できるんですけども、

例えば音楽から一気に飛躍して立体物になると、
インパクトがあるでしょうね。どういう形になるかわからないですけれど。

-今回、HMOミクのPVを作られた経緯、
サードイア様とアニマ様が組まれた経緯はどういったものだったのでしょう?


弘石:今回は色々な縁が重なっているんですが、2年前に
「YMOのカバーバンドで非常に面白いアーティストがいるよ」
ってスタッフがニコニコ動画で見つけたのがきっかけです。

ちょうど初音ミクが出てきて、ニコ動が盛り上がってきた頃です。
僕自身、オリジナルのYMOの方々とお仕事をしていた関係もあって、
「非常にクオリティが高いな」と感じました。

聞き慣れている高橋幸宏さんのボーカルが女性のボーカルに変わって、
なおかつそれがボーカロイド初音ミクという組み合わせが非常にユニークだと。

すぐに初音ミクオーケストラをやっている「HMOとかの中の人。」にメールをして
「一度会ってみましょう」と。

既に彼自身、ニコ動で非常に話題となっていたので、
レコード会社さん10社くらいからオファーがあったらしいんですけども、
私が今までアルファ・レコードで勤務していた経験があったり、
YMOの皆さんとお仕事をしていた話をしたところ、
意気投合して契約に至りました。

それ以前に彼自身でコミケや同人で数千枚以上売り切っていたんですが、
「もっと沢山の人に聴いていただきたい」ということで商業盤のリリースに至ったんですね。

同人の世界は、音もそうなんですけど、やっぱり所謂絵師さんの存在が大きいんですね。

HMOのジャケットは大阪で漫画家として活躍されている
「くぅさん」が描かれたミクなんですけれど、
そういった絵師さんなり、動画を作っていらっしゃる方の作品を渋谷パルコの店内で展示して、
色んな方に知っていただこうという

『初音ミクとテクノデザイン展』という企画展があったのですが、
その時に「君に、胸キュン。」と言うYMOの中でもかなりポップな可愛い曲で
「PVを作ろう」ということになりました。

それで色々と考えて、
「これはやっぱりアニマさんしかないだろう」
ということでお話をさせていただいたと、そういう経緯です。


タイトルスケジュールで生まれたアイデア

-PV制作にあたり、苦労した部分はどういったところでしたか?

弘石:まず私の方から謝らないといけないんですけど…(笑)、
企画から完成まで3週間と言う凄くタイトな、
本来3Dの映像を作っていただくにはありえないくらいのタイミングでの発注というか、
お願いをしていたんですね。

タイトなスケジュールの中でどれだけクオリティの高いものを作っていただくか。

その辺でご苦労をされたんじゃないでしょうか。


赤城:そうですね。「フル尺をフル3Dで」ということが、本来の僕らの仕事なんですけど、
弊社にお話を頂いた段階では、到底その期間では間に合わない状況でした。

そこで、「じゃあ、セルアニメとCGのハイブリッドで行こうか」という結論に至ったんです。

「くぅさんのデザインはアニメにもすごく映えそうだな」と感じたので、
知り合いのアニメ会社さんにこちらも無理を言ってその期間でやっていただきつつ、
うちのCGスタッフにも「夏休みにやれ。更に、代休は出さん」と(笑)

そう言う過酷な条件だったんですが、やはり初音ミクというタイトルの強さですね。

手を挙げてくれたスタッフが7、8名おりました。

それから、今回のPVで一番面白いのは、短い期間で作ったというのもそうなんですけども、実はPVに絵コンテが存在していない、というところもあります。

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