疑問を解決して Let’ 3D printing !_その5
さて、前回は「3Dプリントにおけるノウハウ」をご紹介しましたが、
今回も引き続きノウハウ編です。
今回取り上げるのは、「微細な形状」や「鋭角な形状」の上手な再現方法。
大抵のデータにはどこかしら、細かい形状部分があるはずです。
よく「神は細部に宿る」と言われますけど、こういう細かい部分を上手く再現出来れば、
物の品質と言うのはやっぱり一段上がります。
それに、後加工を想定してる場合なら、無駄な手間を省くことに繋がったりますよ。
今回も知っておくと何かとお得な情報ですので
ガンバッテ最後までついてきてくださいね〜。
ではでは早速、微細形状から行きましょう。
一口に微細形状と言っても、出力する機械によって再現限界が変わってきます。
インターカルチャーで主に取り扱っている造形機は大きく分けて、
・粉末造形
・光造形
の二種類です。(その他、HD3000などもありますが…)
このうち、形状再現度が高いのは、光造形です。
条件にもよりますが、0.3mm〜0.5mm程度の形状なら再現される可能性はあります。
(*形状の再現を保証するものではありません)
粉末造形は、光造形よりちょっと微細形状再現度は低く、
0.8mm以下の形状は原則再現保証は出来ません。
3Dプリントによる、微細形状の再現は、
あくまでも“造形機のスペックによる所が一番大きい”ですので、
そこはまず基本としてしっかり押さえておいてください。
今回の話は、それを踏まえた上で、その他に工夫出来る箇所についてのお話です。
「なんだ、結局造形機のスペック次第か…」と落胆する顔が見えるような気もしますが(笑)
ちゃんと理解すれば、色々工夫次第で造形品質を上げることは可能なんです。
例えば、0.5mmの円筒形状の再現
コレを立てて造形した場合と、寝かして造形した場合どんな違いが出るか表したのが下の絵です。
一目瞭然ですが、寝かせた場合円形状が殆ど円になってないですね…。
簡単に計算すると、ZP0.15(インターカルチャーの光造形機の積層ピッチ)の場合、
0.5mmの円筒形を寝かせてしまうと、
円の形状を0.5mm÷0.15mm=3(あまり0.05mm)
ざっと3層分の積層で円形状を再現する形になってしまいます。
これでは、円と言えるかどうか微妙なところです。
それと比べると、0.5mmの円筒形状を立てて造形した場合は、
ちゃんとレーザーの動きを制御して、丸を描いてくれますので、
ガタガタのないしっかりとした円形状を再現してくれます。
じゃあ、今度は同じ形状を斜めに配置してみましょう。
これは最悪です…。
円形状も出てない上に、長手方向の再現もガタガタになってしまってますね。
縦横の良くない条件が両方出てしまってます。
斜めにずれながら積層されているので、下の面との食付き面積も少なく
強度的に脆くなっちゃって良い事ありません。
今、強度の話が出たので、少し横道にそれますが、造形方向の違いによって
強度(曲げ強度)にも違いが出てきますのでそこに触れておきます。
・粉末造形の基本原理→ナイロン素材の粉末に高熱のレーザーを照射して溶かして形をつくる
・光造形の基本原理→エポキシ系の光硬化樹脂に紫外線レーザーを当てて硬化させて形をつくる
両方に共通するのは、平面方向の造形は
「素材を化学変化させて硬化させているので、一定の強度が有る」
と言うことです。
それに比べてですが、縦方向については、1層毎に区切りを付けて、
下の層と食い付かせているので、どうしても積層と積層の間は強度が弱くなってしまいます。
さっきの、φ0.5mmの細い棒。
これを手で曲げると、縦方向で造形したものは、
積層の部分で、結構簡単に折れてしまいます。
(*もちろん棒の直径が太くなれば、ちょっとやそっとでは折れませんが…)
逆に寝かせて造形した方は、樹脂の持つ靭性が生かされて、
そのおかげで結構たわんでくれますので、
直ぐにパキッと折れる感じではありません。
樹脂の種類にもよりますが、爪をパチっと勘合させるような事も可能
と言えばイメージしやすいかもしれません。
データーの造形目的によっては、ちょっと形状再現を犠牲にしても、
と、この辺りで、今回はちょっと長くなったので、続きは次回にて!
(中村)





















