3Dデータ作成のコツ〜クリアランス編

単体で使用するモノでは特に問題にならないのですが、
複数のパーツを組み合わせて使おうと考えた時に必ず考慮しなければならないのが
「クリアランス【clearance】」の問題です。



クリアランス、とは。辞書で調べると、
ー間隔 , 空間 , すきま , ゆとりー
とされています。

モノづくりにおいてのクリアランスも正にこの通りの意味で、
パーツ同士の間隔、ゆとりを指しています。

筆箱のフタが本体にハマるのは、予めある程度
隙間を持たせた設計をしているからなんですね。

フタと本体が全く同じ寸法で設計されていたら、図面の上では嵌っていても
現実のモノとしてはまず嵌めることが出来ません。



図面上では、ハマっているモノが、実際には嵌らない理由は何でしょうか?

一つは、摩擦の抵抗力によるものです。

歯車等を思い浮かべて頂ければわかりやすいと思いますが、
歯車と歯車同士がキッチリと近づき過ぎていると、歯車は上手く回りません。

ある程度隙間を持たせてやらないと、摩擦の力が発生してしまって
歯車が回らない、あるいはを回すのに無駄な力が必要になります。


この摩擦力を発生させない為に、組み付けられる製品同士には
適切なクリアランス(隙間)が必要となって来るのです。

もう一つの理由として上げられるのは、製品の精度。

工業製品は、様々な製造方法がありますが、
どのような製造方法を使っても必ず、製造誤差が出てしまいます。

これについてはJIS(日本工業規格)もちゃんと存在します。
「全長がこのサイズの物であれば、これ位の寸法誤差は許容されますよ」
と言う規格。

例えば、等級が中級であれば
全長100mmのものは最大100.3mmまで
最小は99.7mmまでならOKとする

と言うものです。

▼クリックで拡大


このように、ちゃんと製品誤差が規格化されている事からもわかるように
モノづくりにおいては、精度の問題は避けて通れないものです。

もちろん、3Dプリントも例外ではありません。

つまり、「組み付けを前提とした製品を作りたい!」と思ったら
「摩擦を避ける為の隙間」と「製造の際に生じる誤差」を、予め
製品設計に盛り込む必要があるという事になりますね。

それでは、実際クリアランスはどの程度取っておくのが適切なのでしょうか?

まず、摩擦を避けるためのクリアランス。

これは、一般的なプラスチック製品の表面粗度
(簡単に言うとプラスチックのようなツルツルの表面の物)であれば
通常は、片側0.15mmのクリアランスを入れることが多いようです。

円筒形の物を嵌めるのであれば、フタの内径と、本体外形では
直径でφ0.3mmの寸法差を付けると言った具合です。

もちろん、少し緩めが良い場合は、0.15mmを0.2mm程度にしても問題有りません。

0.1mmの場合はかなりギリギリのクリアランス設定になりますので
場合によっては嵌らないケースも出てくるかもしれないですね。


そして次がインターカルチャーのプリントサービスご利用にあたって最も重要な部分

製造時の寸法誤差

これは、樹脂の種類によって違いがあります。

3dprint_clearance

造形時の条件にも左右されるため、必ずしも上記の表の通り作れば
問題が起きないという訳ではありませんが、
「通常の造形の際は、この程度の寸法調整をする事が多い」程度に考えて、
予めデータ作成の際に、数値として盛り込んおいて頂けると良いかもしれません。
(中村)

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