CGからフィギュア「データの分割」 vol.09

前回テスト造形したデータは高さ200mmでしたが、ちょっとインパクトが小さかったので、
本番の造形では
高さを300mmまで拡大することにしました。



しかし、高さを300mmにすると、造形可能なサイズの限度を超えてしまうので
そのままでは造形できません。

そこで、今回は高さを300mmにしたデータを、いくつかのパーツに分割してみたいと思います。

ーSTLデータの書き出しー

前回と同じように、ZBrushの「3D PrintingExpoter」でSTLに書き出します。
高さ200mmの場合には、ポリゴンのリダクション率10%と5%で
造形結果に大きな違いはありませんでしたが、同じデータを使っても、
今回は大きさを1.5倍にするので、データの表面積が増えるため
解像度としては低くなります。

そのため、今回は念のためリダクション率10%(解像度:高)の方のデータを
高さ300mmでSTLに書き出しました。

ーデータの分割ー

ZBrushではデータの分割は行えないので、今回は3ds max(※バージョンは8)を使って行います。

3ds maxも分割作業に向いているとは言い難いですが、今回は
CGソフトだけでやってみるのが目的なので、地道にmaxでやってみました・・・

それでは、3ds maxにSTLデータを読み込みます。
「ファイル」 → 「読み込み」 でSTLデータを選択します。

下図のようなダイアログボックスが表示されるので、「クイック連結」にチェックします。


「スレッショルドを使用」にするとフリーズするようなので注意です。

maxに読み込めました。(※読み込む際に、maxの単位設定をミリメートルにしておきます。)

分割跡が目立たないことを狙って、今回は下図赤線部分で
6パーツに分割することにしました。


ZBrushから、全てのサブパーツをまとめて書き出したので、読み込んだ状態では
全てのサブパーツが一体になっています。
このままでは重くて作業しづらいので、編集可能ポリゴンに変換して
要素で服やベルトを選択して別パーツにデタッチしておきます。
(以後、max用語が連発されるため、maxを使ったことのない人には
意味不明かもしれませんが、ご了承ください・・・)

服と重なる部分は極力消去して、データを軽くします。



ポリゴンをスライス平面でカットして、カットしたエッジ部分を
縁取りで選択して、キャップで塞いでソリッド状態にしておきます。

とにかくデータが重いので、分割作業を行う場合は周辺部分だけを
デタッチして、データを軽くしつつ進めます。


↓上半身①と下半身④の分割部分


上着との境目部分の分割では、上着の面を分割面としました。

ブール演算で一発で出来ればよいのですが、自分のmax8の
標準機能のブール演算だと、上手くブーリアンしてくれないので
かなり手間ですが、ブール演算で面同士の交差線だけをとって、
周囲の余分なポリゴンを消去していきました。
(最近の3ds maxには、標準でProBooleansなる機能が
ついているらしいので、綺麗にブーリアン出来るのかもしれませんが・・・)



下半身側は上着の面の法線を反転して使用します。



接合部分に、はめ合わせ形状を追加します。
直方体を配置して分割面と交差をとり一体化します。
下半身側を凸形状にしています。



上着側には、下半身側に合わせて凹形状を作成します。その際、
直方体の側面を0.1mmほど押し出しして、クリアランスとしています。
(このような接合部分には、0.1mm~0.2mmほどクリアランスを設けておくと良いですよ!)



直方体の法線を反転させて、上着の面と一体化し、はめ合わせ形状の凹側とします。



出来上がった分割部の形状を、元の上着と下半身のデータとそれぞれ
アタッチして一体化し、重なっている頂点を連結すれば分割形状の完成です。
腕と靴のパーツも同様に分割を行いました。

 



ここでも、上着の面を分割面としています。

腕部分の分割形状が出来たら、それに合わせて上着部分に凹形状を設けます。
上着側の分割形状が出来たら、別パーツにしておいた頭部の形状と
アタッチして上半身形状として一体化します。


↑靴の分割形状

ここでは、靴の形状に沿って分割面を作成しています。



フィギュアが倒れないように台座も作成しました。



台座側に凸形状を設けて靴側には凹形状を追加しました。



これで分割完了ですっ!!

それぞれのパーツをmaxから「ファイル」→「書き出し」でSTLに書き出します。
全て書き出したら、分割データの完成です。

今回は造形サイズが大きかったため、分割を行いましたが
データを分割すれば、造形品の高さ寸法が小さくなるので、
一体で造形するよりも造形金額を抑えられる可能性があります。

また、造形品をマスターにして注型で複製するような場合にも
分割しておいた方が都合が良かったりします。

ちょっと面倒ですが立体造形を上手く活用するには、
避けては通れない作業かもしれません・・・

本当はZBrush上で分割まで出来るといいんですけどねぇ。
分割の境界をマスクで指定してボタンをポチット押せば
分割できちゃうみたいな・・・

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