CGからフィギュア vol.01

“CGデータからの立体造形の可能性”

皆さんはCGと聞くと、どんなものを思い浮かべますか?
最近だと3D映画の「アバター」が話題ですが、やはり映画などに代表される
「映像の中で観るもの」
というイメージが強いのではないでしょうか?



日本では10年くらい前に、ちょっとした
CG制作ブームが起きました。

3DCGを教える専門学校が話題になり、
高価で手の出せなかったハイエンドCGソフトも
学ぶことが出来るようになったのです。

私もそのブームにつられてCGをやるようになりました。

その後数年間CG制作の仕事をしましたが、
せっかくCGで立体形状をつくっても、2次元の画像になるだけで
モノづくりしている感覚はいまいち実感できませんでした。

そのため、4〜5年前からは、CADを使用した製品設計の分野の仕事をするようになりました。

当時は知識も乏しくCGでは実際のモノは造れず
CADでなくては駄目だと漠然と思っていたのです。

確かに、CGソフトはCADのように設計的なモデリングには向いておらず、
設計データに必要なクオリティや金型の設計要件を求めると、機能的にも欠けており
細密なデータを扱うには動作も重くなるので現実的ではありませんでした。


ところが、最近ではCGデータからの立体造形が行われつつあり
CG専門誌でも採り上げられるようになりました。

その一つの要因は3Dプリンターと呼ばれる
立体造形装置が登場したことが挙げられます。

このような造形装置では、形状を輪切りにして
一層づつ積層していく方法がとられているので
金型などが必要なく立体形状を造形できます。

装置自体がたいへん高価な上、個人向けのサービスも少なかったので
一般的ではありませんでしたが、最近ではそういったサービスが
増えてきたため広まりつつあります。(inter-cultureもその一つですが・・・)

もう一つの要因は、スカルプト系の
CGモデリングソフトの登場が挙げられると思います。

詳しくは追ってご紹介しますが、従来のCGモデリングとは違って
ペンタブレットを使ってモデリングするこれらのソフトでは、粘土をこねるような感覚で
扱うことができ、細密な形状でも動作が軽く、効率的にモデリングできます。

特に、有機的で不規則な形状の制作では、CADでやると
何日かかるか分からないようなものが、数時間で出来てしまったりします。

そして、ソフトによっては立体出力用にデータを最適化できる機能を有しているものもあります。

3Dプリンターで立体出力する際には一般的にSTLデータが使用されますが、
このデータは小さな三角形の集合体でしかないので、その時点では
CGで制作したデータであろうと、CADで制作したデータであろうと
関係はなくなります。

もちろん現実の立体物を制作するので、普通にCGで絵をつくるのとは違って
少し気をつけなくてはいけないこともありますが、そこさえ押さえれば
CGデータからでも立体物を作ることが出来ます。

 CGでフィギュアをつくってみようー

と、ここまで真面目に書いてしまいましたが、実際どんな事ができるのか。

何か実際にサンプルをつくってみようということになりまして・・・
安易な発想かもしれませんが、とりあえずフィギュアをつくってみることになりました。



制作するにあたっては、エンキ・ビラル的近未来SFに登場しそうな
渋めの女性キャラクターをイメージして造ってみたつもりです・・・(たぶん)
※エンキ・ビラルはバンド・デシネと呼ばれるフランス語圏のコミックの巨匠です。



「ブレードランナー」以降の近未来SF映画に、多大な影響を及ぼしたことで知られています。
(私はエンキ・ビラルの淡くて渋い絵が大好きです。)

このブログでは、このフィギュアの制作工程を連載していく予定です。

CGデータの制作→立体出力→仕上げ→シリコン注型で複製

の各工程を、順を追ってご紹介していきたいと思います。

CGからフィギュア「基本モデル制作」 vol.02 へ

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